ごあいさつ

阿嘉島臨海研究所は、文部科学省認可 一般財団法人熱帯海洋生態研究振興財団の沖縄支所として運営しております。 1988年5月の認可後、さんご礁を主題とした、海の研究を継続し、スクーバダイビングを研究手法の一つとして、フィールドを見つめた調査を地道に続けております。
研究所設置場所に阿嘉島を選んだ理由は、私を含め、財団設立にかかわってくださった方々の多くが、スクーバダイビングの愛好者であったことによります。 現在でも研究者に限らず、海の大好きな仲間が寄り集まり、多くの助言や協力(日本財団を含む)をしてくれています。
この研究所を通り過ぎていく内外研究者の多くが、夫々の分野で頭角を現し、世界で活躍している姿を世界や日本のサンゴ礁学会などで目の当たりにする度に、この研究所が出来て本当によかったと実感しています。

私たちが研究を続けた結果、2005年世界で初めて、有性生殖によるサンゴの増殖に、道筋が見えはじめました。 世界中の多くの人々が期待してきた、地球環境の破壊からの離脱を考え得る、選択肢としてもその価値は大きいものがあります。 明るい空、白い砂浜、どこまでも透きとおる青い海、魚たちが暮らすユリカゴの様なサンゴ礁、緑織り成す大地に続く豊穣なマングローブの林など、これらの自然からの贈り物は、大切にしたい宝物だと信じています。
科学的な知見を集積して論理を構成し、地球を守り抜くだけではなく、心の底から守りたい地球があり、素朴に感受性に訴える心の故郷として、もう一度地球を自然を見つめなおしてみたいと思います。

私自身1942年生まれ、慶應義塾大学法学部出身というキャリアから思えば、まったく異質な世界になりますが、子供の頃から大好きな海に係り続けて行きたい思いが、学際的なサンゴ礁の世界にのめりこむこととなり、いまだに現役のダイバーとして潜り続けています。
50年続くか100年続くか、この研究所の存在意義は、心の原風景である海を守り育てようとする後継者が、続々と現れていくことだと考えております。 海を知るためには、海に接していることが大切です。 フィールドのそばに拠点を構えている研究者が必要です。
ぜひ貴方も人生をかけて阿嘉島臨海研究所の研究活動に参加してください。

一般財団法人 熱帯海洋生態研究振興財団
理事長 保坂 三郎